2026/09/13
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前回は、「高気密住宅とは何か?」についてお話ししました。
今回は、高気密・高断熱住宅のもう一つの大切なポイント、
「高断熱」
について、できるだけわかりやすくご説明します。
まず、「断熱」という言葉から考えてみましょう。
断熱とは、簡単にいうと、
「熱の行き来をできるだけ遮断すること」です。
冬は、家の中で暖めた熱を外へ逃がしたくありません。
反対に夏は、外から入ってくる暑い熱を家の中に入れたくありません。
そこで、家の外と中の間に「断熱」というバリアをつくります。
この断熱性能を高めることで、外の暑さ・寒さの影響を受けにくい住まいをつくることができます。
高断熱住宅では、家の外と中の熱の移動を抑えるために、さまざまな工夫をします。
例えば、
高性能な断熱材を使う
外壁などに高性能な断熱材を施工し、外からの熱が室内へ伝わりにくく、室内の熱も外へ逃げにくいようにします。
断熱性能の高い窓を採用する
住宅の中でも、窓は熱が出入りしやすい場所です。
そこで、
など、断熱性能の高い窓を採用することが重要になります。
どれだけ壁にしっかり断熱材を入れても、窓の断熱性能が低ければ、そこから熱が逃げたり、外の暑さ・寒さが伝わったりしてしまいます。
冬に窓のそばへ行くと、
「窓から冷気が伝わってくる……」
と感じることはありませんか?
これは、窓の断熱性能が室内の快適性に大きく関係しているからです。
高断熱住宅では、壁だけでなく、
「窓まで含めて家全体の断熱性能を高める」
ことが重要になります。
断熱性能を高めて熱の行き来を抑えると、外気温の影響を受けにくくなります。
つまり、
冬の冷たい外気が室内に伝わりにくい。
そして、
夏の暑い外気も室内に伝わりにくい。
その結果、冷暖房でつくった快適な室温を保ちやすくなります。
「冬は暖かく、夏は涼しい家」
を実現するためには、断熱性能がとても重要なのです。
では、断熱性能が高いかどうかは、どのように判断するのでしょうか?
ここで登場するのが、
「Ua値(外皮平均熱貫流率)」です。
Ua値とは、住宅の床・外壁・屋根・窓など、家の外側を包む部分(外皮)から、どれくらい熱が逃げるのかを示す指標です。
計算式は、
Ua値 = 熱損失量の合計 ÷ 外皮面積の合計
となります。
簡単にいうと、
Ua値が小さいほど、熱が逃げにくく、断熱性能が高い
ということです。
ここで、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。
日本では住宅の断熱性能について、省エネ基準が定められています。
地域によって基準は異なりますが、例えば東京・横浜・大阪などの温暖地では、従来の省エネ基準でUa値0.87以下が一つの基準とされてきました。
しかし、
「省エネ基準をクリアしている」ことと、「本当に高断熱な家である」ことは、同じではありません。
基準を満たしているからといって、必ずしも「冬でも暖かく、夏でも快適な高性能住宅」になるとは限らないのです。

実は、「高断熱住宅」という言葉にも、明確な全国共通の定義があるわけではありません。
そのため、住宅会社によって「高断熱」と考える基準が異なる場合があります。
では、どのくらいの性能を目指せばよいのでしょうか?
一つの考え方として、専門家の間では、
Ua値0.6以下
を高断熱住宅の一つの目安とする考えがあります。
さらに、
Ua値0.46以下
を目指すこともおすすめです。
そして、
Ua値0.3以下
まで高めることができれば、かなり高い断熱性能を持った住まいといえるでしょう。
※実際に必要な断熱性能は、地域や住宅の形状、窓の仕様などによって変わります。
家づくりでは、
「法律や省エネ基準をクリアしているから大丈夫」
と考えてしまいがちです。
もちろん、基準を守ることは大切です。
しかし、せっかく何十年も暮らす家を建てるのであれば、
「最低限の基準を満たす家」
ではなく、
「実際に暮らして快適だと感じられる家」
を目指してみてはいかがでしょうか。
冬に寒さを我慢しない。
夏に暑さを我慢しない。
家中の温度差をできるだけ小さくする。
冷暖房にかかるエネルギーも抑える。
こうした暮らしを実現するためには、できるだけ高い断熱性能を確保することが重要です。
ここまで、
高気密=家のすき間をできるだけなくす
高断熱=外の暑さ・寒さを室内に伝えにくくする
というお話をしてきました。
この2つは、どちらか一方だけを高めればいいというものではありません。
高気密と高断熱。
この両方をバランスよく高めることで、外気温に左右されにくく、快適な室内環境をつくりやすくなります。
だからこそ、
「高気密・高断熱住宅」
なのです。
では、なぜ日本では「省エネ基準を満たせば十分」という考え方が長く続いてきたのでしょうか?
一方で、海外では、より高い断熱性能を住宅に求めている国もあります。
この違いには、
「住宅をどのようなものとして考えているのか」
という、住まいに対する考え方の違いも関係しています。
次回は、こうした
「日本と主要先進国では、住宅の省エネ性能にどのような違いがあるのか?」
について、さらに掘り下げてお話ししていきます。
家づくりを考えるなら、ぜひ一度、
「この家は、何十年先も快適に暮らせる性能を持っているだろうか?」
という視点で、住宅性能を見てみてください。
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