2026/10/25
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今回は、子どもの健康に焦点を当ててお話しします。
以前の記事でもお伝えしましたが、カビ・ダニ・ホコリ・花粉などへの対策は、アレルギーのリスクを減らし、症状の改善を考えるうえでも重要なポイントです。
実は、毎日過ごす家の環境が、子どもの健康に関係していることをご存じでしょうか?
お子さんのアレルギー疾患に悩んでいるご家庭は、決して少なくありません。
東京都が5年ごとに実施している「アレルギー疾患に関する3歳児全都調査」の2019年度の調査によると、3歳までに何らかのアレルギー疾患があると医師に診断された子どもは、約4割にのぼります。
健康で元気な子どもが育つために、アレルギーの問題は決して見過ごせません。
アレルギー疾患といっても、その症状や程度はさまざまです。日常生活に大きな支障がない場合もありますが、症状があれば、かゆみや鼻づまりなどによって、遊びや睡眠に影響が出ることもあります。
もし、アレルギーのリスクを減らし、症状が出にくい環境を整えられるとしたら、子どもにとってもうれしいことですよね。
そこで注目したいのが、高気密・高断熱住宅です。
高気密・高断熱住宅は、適切な断熱・気密・換気計画によって、結露を抑え、カビやダニが発生しにくい環境をつくりやすくなります。
また、計画換気システムに適切なフィルターを採用すれば、外から侵入する花粉やホコリなどを減らすことも期待できます。
つまり、住まいの性能を高めることは、アレルギーの原因となり得る物質への対策にもつながるのです。
もちろん、高気密・高断熱住宅に住めば、必ずアレルギーにならない、あるいは症状が改善するというわけではありません。
それでも、子どもが毎日長い時間を過ごす住環境を整えることには、大きな意味があると考えています。
実際に、住宅の断熱性能と健康状態の関係を調べた研究があります。
近畿大学建築学部の岩前篤教授が、2002年から2008年に転居した約2万4,000人を対象に実施した調査です。
この調査では、転居先の住宅を断熱性能によって「低断熱」「省エネ基準レベル」「高断熱」の3つに分類し、転居前後の健康状態を比較しました。
調査対象となった症状には、次のようなものがあります。
そして、転居前に症状があった人のうち、転居後に症状が出なくなった人の割合を「改善率」として算出しています。
改善率=転居後に症状が出なくなった人の数 ÷ 転居前に症状があった人の数
その結果、紹介されている調査では、断熱性能の高い住宅に転居した人ほど、さまざまな症状の改善率が高い傾向が示されました。
この結果は、住まいの断熱性能が、健康状態と関係している可能性を示すものです。
ただし、これは転居前後の症状を比較した調査であり、断熱性能だけが症状の改善を引き起こしたと断定できるものではありません。また、調査結果をすべての人にそのまま当てはめられるわけでもありません。
では、なぜ高断熱住宅に住むことで、アレルギーなどの症状が改善する可能性があるのでしょうか?
その仕組みがすべて医学的に解明されているわけではありませんが、住環境の面から考えられるポイントがあります。
① 結露を抑え、カビやダニを発生しにくくする
断熱性能が不十分な住宅では、冬に窓や壁などの表面温度が下がり、結露が発生することがあります。
湿気が多い環境は、カビが発生する原因になります。また、ダニの種類によっては、湿度の高い環境で増えやすくなります。
高断熱住宅では、壁や窓の表面温度が下がりにくくなるため、適切な換気や湿度管理と組み合わせることで、結露を抑えやすくなります。
その結果、カビやダニが増えにくい環境づくりにつながります。
② 花粉やホコリが室内に入り込むのを抑える
高気密住宅では、家のすき間から無秩序に空気が出入りすることを抑え、計画的に換気を行います。
換気システムに適切なフィルターを設置し、定期的に清掃・交換することで、外気に含まれる花粉やホコリなどの侵入を減らすことが期待できます。
ただし、フィルターで除去できる物質やその程度は、製品の性能によって異なります。
高気密にするだけでなく、換気とフィルターの性能にも気を配ることが大切です。
住まいの空気環境を考えるうえでは、内装材にも目を向けてみましょう。
例えば、漆喰などの塗り壁を採用する方法があります。
漆喰には、製品や施工条件によって調湿性などの特徴があります。ただし、漆喰を使えばウイルスやアレルギーの原因物質を確実に除去できる、あるいは病気を予防できると考えるのは適切ではありません。
大切なのは、素材だけに頼るのではなく、断熱・気密・換気・湿度管理を組み合わせて、住まい全体の環境を整えることです。
子どもが元気に遊び、よく眠り、好奇心を持って毎日を過ごすためには、健康で快適な住環境が大切です。
もちろん、アレルギー疾患には体質や遺伝的要因、生活環境など、さまざまな要因が関係しています。住宅性能を高めることだけですべてを解決できるわけではありません。
しかし、結露を抑え、カビやダニが発生しにくい環境を整えること。花粉やホコリの侵入を抑えながら、きちんと換気すること。家族が快適に過ごせる室温を保つこと。
こうした工夫は、子どもの健康を支える住まいづくりの大切な要素です。
私たちは、家族みんなが健やかに、そして快適に暮らせる住まいづくりを大切にしています。
これから家づくりを考える方に、ぜひ高気密・高断熱住宅の価値を知っていただきたいと思います。
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